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0923 pay。

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引越しをする、意思を固めた。じゃあな、黄金町。

口座の残高を見た。あの、まだしばらくよろしくお願いしてよろしいですか、黄金町。

部屋の中の不必要なものをちゃっちゃと売ることにした。

インストールしたままめっきり使っていなかったメルカリで売ることにした。

最初の頃に使おうとしたときに比べて出品までのスムーズさに舌を巻く。

バーコードリーダーで商品検索してくれるのは非常にかしこい。

でも相変わらず、売り手の写真を撮るセンスがない。

スニーカーと使ってない機材をいくつか出品して、

なんやかんやあって売り上げが3万円ほどになった。

あれこれ売って3万円かぁ、という気持ちと

まぁ、働かずして1週間で3万ならまずまずじゃないかと言う気持ちとが交互に。

溜まった売り上げ金がそのままメルペイとして使えることを知った。

ついそのまま、欲しかった機材をメルカリで検索してしまったが、危ない。本末転倒になってしまう。

とはいえ、CMでもこの類のキャッシュレスサービスはクーポンが豊富らしいので、それだけ使ってみようと思った。

160円のファミマのデザートが15円で買える。

なるほど、世間の人がみんな騒いでいた理由が今更、わかる。

キャッシュレス万歳、定価でデザートを買うなんて馬鹿げている。

ファミマに行ってから御目当ての商品を見つける。

このタイミングでどう買えばいいのかと迷った。

クーポン画面の詳細ページを開く。

どうやらファミポートでクーポンシートを発行しないといけないらしい。

「え?ここにきて?」と思わなくもなかったが仕方がない。郷に入っては郷に従え。

ファミポートに3人並んでいる。試されている気さえしてきた。

自分にファミマのデザートを手に入れる資格があるのか。

コンビニの狭い通路に並ぶ。あの時間は無限に感じられる。

なんとかシートを印刷して商品を買った。

店員が(またこれか…)という表情をした気がしなくもない。

「こんなに面倒なら160円払って素直にレジに並んだ方がいいな」なんて軒並みなことを思った。

ファミマのデザートは柔らかいカスタードの入ったたい焼きでうまかった。

amazonで購入した本がなかなか届かない。

気がつかないうちに年々短気になっているのかもしれない。

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0922 団地。

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「有名人じゃなくてもさ、

悪気なんてなくてもさ、

普段の会話の延長線上にあるうかつな発言で炎上する人多いからお互い気をつけたいね」

と言われた。

「たしかに。」

と返事をした。

そういえば最近身の回りで炎上をして傷つけたり傷ついたりする人をみたばかりだった。

「うかつな発言で炎上する人多いからお互い気をつけたい」という緊張状態はもう6,7年ほどずっと続いている気がする。

火に慣れてしまって全部ただのボヤ騒ぎとしか認知できなくなっているのかもしれない。

それはそれで怖いことだ。


炎上した記事や発言、ツイートなどへのコメント欄、リプライを見ていると思い出す景色がある。

小学校に入るまで、僕は団地暮らしだった。

特に変哲もない田舎の集合団地。僕の家は大通りに面した1階の角部屋だった。

その団地は面白い形をしていて、1階の住居と2階の住居の庭が吹き抜けでつながっていた。

そのおかげで1階に住む我が家にも家の奥まで陽の光が差し込んだ。

あるとき、2階の家に住む悪ガキ兄弟が買ったばかりの大きな水鉄砲で吹き抜けの庭から1階の我が家に打ち込んできたのだ。

今考えたら雨と大差ないのだが、晴れの日の我が家の窓をびしょびしょに濡らす奴らがひどく許せなかった。

父が窓から声をかけてみたが、案の定水鉄砲の的にされて終わった。

それはそれで愉快だったが、情けなくもあった。

「放っておけばいいでしょう。」

母の意見にしぶしぶ頷くかたちで僕らは黙って窓の外を見ていた。

その日の夕方、悪ガキ兄弟とその父と思しき人物が家に謝りに来た。

どうして、あんなことしたんだ?と父が聞くと

「1階の庭の草花のせいでうちまで虫が飛んで来るんだ!その退治をしたかったんだ!」

と言った。

「なるほどねー」と父は許したようだったが、僕は納得いかなかった。

悪ガキ二人は誕生日か何かで買ってもらったあの二段式の水鉄砲でとにかく遊んでみた買っただけなんだ、きっと。

でもわざわざそれを口に出す気にはならなかった。

正当化する用意をしてから打つ。ただ、ただ。

反撃されない、平和な位置から、一方的に。


別に世間の炎上案件にあーだこーだ講釈を垂れるつもりもないし、この昔話と無理やりリンクさせるつもりもないけれど、僕は世間の炎上ネタを見るとあの時の景色を思い出す。

「反撃されない、平和な位置から、一方的に。」

それが水鉄砲だったら、別にいいのだけれど。

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