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6月。

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地元、群馬の伊勢崎市で気温40度超えを記録したその日、俺はいつものようにカメラを片手に散歩をしていた。

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降りたのは新川崎駅。この日は南武線沿いをジグザグ渡り歩きながら川崎駅を目指すことにした。

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すっかり日に焼けた暖簾が目印の町中華で担々麺とメンマを食べた。

向かいのテーブルにドレッシーな服を着たお嬢様が一人で食事をしていて、そのときは本気で頭が暑さでバグったと思った。

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歩いている途中、左足に違和感を覚えた。

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右足の薬指の爪が伸びていてそれが小指の横に刺さって流血していた。

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パートナーとお揃いで買った白のコンバースの中がどす黒くなっていた。

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タオルで適当に止血をしてまた歩き始めた。

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全く。なんだってこんな炎天下、足を血まみれにしながらこんな長距離を歩かなければならないんだ。

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気がつくととっくの昔に川崎駅は通り過ぎていて。

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ここから別の日。銀座。

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緊張感のない写真が取りたくて都会にしゃしゃり出る。

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前回は確かそう、年始にひとりでのこのこと来たのだ。

そのときは人もまばらで、とんかつ檍も並ばずに入れたのが今となっては信じられない。

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スタチューパフォーマーは普段何を見て笑うのだろうか。

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途中、ピカチューのコスプレをした外人に持っているカメラを褒められた。

GINZA SIXのいけ好かないTSUTAYA三宅乱丈の"fish"を買って帰った。

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"写真と絵画「柴田敏雄と鈴木理策」"へ

連日、目を疑うような数字が並ぶ天気予報を眺めながら「今週末はどこか涼しいところで過ごそう」と心に決めていた。

その矢先、TLで好きな写真家「鈴木理策」さんの名前を見かけた。

何やら東京のアーティゾン美術館というところで展覧会をやっているらしい。

わざわざ暑い日に電車で1時間かけて出かけるなんてそれこそ天気予報を見ろ、という話だがまあ良質な生活の息抜きというのは得てして(仮にそんなものがあるならば、だが)合理的な選択の先にはない。

石橋財団の所蔵する代表的な抽象絵画コレクションと二人の写真家の渾身の作品が一堂に会した今回の企画展示は、セザンヌを筆頭とする名だたる抽象画家たちの視点を写真という別のメディアを通すことでよりリッチな解像度で追体験するような、挑戦的なアプローチの企画になっている。

絵画と写真、2つのメディア。異なる文脈が持つそれぞれの「リアル」。

柴田敏雄さんの写真は基本的にはパンフォーカスのものが多い。一枚一枚がニュートラルで、自己の存在を極端に消し去り、あくまでそこには対象とフィルムとをつなぐ光のみがあると言いたげな作品が多く、言葉に尽くせない強度があった。

簡単な共感を拒絶するような潜在的な怖さもあった。

しかし、それこそ自分がストリートフォトに見ている醍醐味そのものだとも感じた。

インフラストラクチャーが被写体として多く選択されているのも、個人的な性癖(本来の意味)に刺さった。

一方の鈴木理策さんの写真は浅い被写界深度で空間を断片的に切り取る。

余計な計画性を持たない、偶発的なショットの数々が並ぶことで、撮影の前後の時間の流れや、気温や湿度といった環境そのものを雄弁に語る。

セザンヌクールベの絵画にも目を奪われていると、あっという間に2時間半。

夜の飲み会までの時間ギリギリで退散。

ボリューミーなカタログが3000円だったのでいつものように気に入った作品のポストカードと合わせて購入。

思いつきで出向いた展覧会だったが、自分を奮い立たせてくれる熱量があった。

(もちろん、館内は涼しかった。)

今回、一番グッときた一枚。柴田敏雄。隅から隅。20分は目が離せなかった。