「助け舟」
「堪忍袋の緒」「自分を上げる棚」「思う壺」「捕らぬタヌキの皮ジャンバー」「転ばぬ先の杖」「目から落ちたうろこ」「冥途の土産」「大風呂敷」 etc ...
みんなが知っている、使っているけれど本当はそんなもの、この世には「ないもの」を売っているお店のカタログブック。時に親身で時に皮肉めいていて、なんだか屁理屈っぽい。
挿絵の柔らかい感じも合間ってまるで本当にあるものみたいな、何よりあったらいいなと思わせてくれる内容。
「真面目にふざける」ことに正面からチャレンジしている感じが好きだ。
きっと著者は書いていて楽しかっただろうな、と思わせてくれる本はいい本だ。
「クラウド・コレクター」で有名なクラフト・エヴィング商會・著。
思わず手に取りたくなるような、シンプルで変わったサイズ感の装幀も素晴らしい。
(ネタバレだけど読後に帯を外そうとしたら表紙と一体になっていてびっくりした。芸が細かい。笑)
本編ではないけど、巻末の赤瀬川原平氏の「ビール」と「とりあえず」の""言葉の腐れ縁""を綴った書き下ろしエッセイも素敵。
(とりあえずビール)
日本語って面白いな、と改めて思った。