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ホビー数学01「数論への招待」

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読むぞ!と意気込んでから、ほとんど毎日寝る前1時間程度ノートを取りながら学習して、約1ヶ月で読み終わることができた。 自分はそうしておいてなんだけれど、正直なところ本書に関してはノートを丁寧に取るような本ではないかもしれない。

ターゲットとする読者層は、高校数学を先取りして終えてしまってもなお数学への熱意が冷めない高校生や、あるいは受験が終わって暇になった理数系に進学予定の学生、はたまた28歳にもなって急に数学やるぞ!とかなってしまった僕みたいな社会人あたりだろう。

そういう人がちゃんとした教科書などを読みすすめながら暇な移動時間や休憩時間に副読本として読むのに最適な本だと思う。

難解な数式や定理も出てくるには出てくるがその導出などはほとんど端折られており、本筋としては「数論」という高校数学までほとんど姿を見せなかった未知の分野を、ちょうどウィンドウショッピングでもするかのように、その奥深さを肌で感じることができる内容となっている。

具体的に出てきたワードだと

  • ゼータ関数と平方剰余の相互法則
  • 拡大次数を使った三大作図問題の証明
  • 代数体の類体論
  • デデキントの分断を用いた実数の定義
  • p進数とヘッセの定理

このあたりである。

じゃあ、その全てに関して読んだ私が深い知識を身につけられたかと言われれば全くそうではない。むしろ読み終わった後でも頭ははてなだらけである。

なので、軽いブルーバックスと同じような心持ちで読み始めるとおそらく挫折してしまうと思う。

しかし、さっきも言ったようにこの本はつまみ食いこそが趣旨であり、たしかにタイトルの通り今までまるで知らなかった数論の興味深い世界への招待状としてこれ以上ない内容となっている。

あとはとにかく挿絵がすばらしい。これは読めばわかる。

間違いなく今のタイミングで僕が読む最高の本だったと言える。

P.S. ちょうどこの本を読み終えて感慨に耽けようかと思った矢先に昨日の地震があったので驚いた。

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