地元、群馬の伊勢崎市で気温40度超えを記録したその日、俺はいつものようにカメラを片手に散歩をしていた。
降りたのは新川崎駅。この日は南武線沿いをジグザグ渡り歩きながら川崎駅を目指すことにした。
すっかり日に焼けた暖簾が目印の町中華で担々麺とメンマを食べた。
向かいのテーブルにドレッシーな服を着たお嬢様が一人で食事をしていて、そのときは本気で頭が暑さでバグったと思った。
歩いている途中、左足に違和感を覚えた。
右足の薬指の爪が伸びていてそれが小指の横に刺さって流血していた。
パートナーとお揃いで買った白のコンバースの中がどす黒くなっていた。
タオルで適当に止血をしてまた歩き始めた。
全く。なんだってこんな炎天下、足を血まみれにしながらこんな長距離を歩かなければならないんだ。
気がつくととっくの昔に川崎駅は通り過ぎていて。
ここから別の日。銀座。
緊張感のない写真が取りたくて都会にしゃしゃり出る。
前回は確かそう、年始にひとりでのこのこと来たのだ。
そのときは人もまばらで、とんかつ檍も並ばずに入れたのが今となっては信じられない。
スタチューパフォーマーは普段何を見て笑うのだろうか。
途中、ピカチューのコスプレをした外人に持っているカメラを褒められた。