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ホビー数学02 予備校のノリで学ぶ「群論入門」

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人気教育系YouTuberのたくみさんの群論入門の講座。
9本の動画で合計約300分の長編プレイリスト。

群論自体はまったくの初学者で、一応他に参考書を購入してはいるのだが数ページ読んでさっぱりだったのでSNSなどで評判のいい彼の動画をまず見てみることにした。

合間合間にノート取りながらでだいたい1週間で見終えた。

教育系YouTuberの方々は、そのほとんどがチャンネルのターゲット層を中高生としていて、とくに大学受験に向けた内容が充実している。ここが一番YouTubeを見ている世代なのだからマーケティングとしては正しい。

その中でたくみさんの運営している予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」は、その名の通り主に理工系の大学で習う科目や分野を(対談動画等を除けば)一人で授業するストロングスタイルでやっている。チャンネル登録者数は約88万人。

(彼のチャンネルの紹介はこの辺にしておいて。)

9つの動画を通して群論の基礎から準同型定理までを学習する。当時の感想ツイートを並べて一つ一つコメントしていく。


第1回 群論について。
集合とその集合上での二項演算が諸条件を満たすとき初めて群となる、という基本の話。
また初回の時点で最終回の伏線となる"同型"と"準同型"のことを説明する。

第2回 群について。
初回の軍に必要な4つの諸条件を具体的に示す。
ここでよく聞くアーベル群というのが可換群のことだと知る。
新しい用語や定理が出るたびに具体例を示そうとするたくみさんの指導法はとても親切でわかりやすい。

第3回 対称群について。
並行して読んでいる別の数学書で3次対称群の丁寧な説明があったのでこの動画ではすんなり理解できた。
しかし、後半の任意の置換を互換の積に分解するところ、そしてその分解したあとの置換の回数の遇奇は一意に定まるところは初見だった。

第4回 部分群について。
定義自体は素直なものでつまづくところはない。つまり群になっている部分集合である。
部分群の判定定理についても4つの条件を証明する必要があるかそれぞれ単純なものなので理解も難しくない。

第5回 同値類について。
集合、群、それから類である。こんがらがる。
同値類は群ではないということを忘れて変なところで頭を抱えた。
同値類はある群を何某かの関係性でひとまずグループ分けしたものでしかない。
そしてその同値類の加法と乗法は、任意の代表元同士の加法と乗法によって定まる。

第6回 剰余類について。
「剰余類」という言葉は群論の世界以外でも数学の世界では聞き馴染みがある。
それは整数を割り算の余りごとに類別したもの。
実はこれらは同じものである、ということが分かる回。
右剰余類、左剰余類とあるが、もとの群が可換群であればそれらは一致する。

第7回 正規部分群について。
左剰余類集合を元とするような群を作りたいというモチベーション。
(新しい概念を学ぶときはそれが欲しいモチベーションを理解するというのが大事。)
左剰余類と右剰余類が一致するような部分群を正規部分群と呼び、これを導入することでG/Nに二項演算( aN・bN=abN )を導入できる。

第8回 準同型写像について。
ここまで曖昧な理解で進めてきた「2つの群が同型である」という言葉の意味を深堀る。
準同型写像とはつまり、もとの群で閉じていたある演算が、写った先の群でもある「閉じた演算」になっている写像のことだと理解。
さらに準同型写像には2種類、つまり全射同型写像単射同型写像があり、さらなる全単射同型写像を一般に同型写像と呼ぶ。
核(Kernel)や像(Image)なども新しい用語として出てくるが、難しい概念では決してない。
ただ準同型写像fのKer Kが正規部分群に必ずなるというのはまだ不思議だ。

第9回 準同型定理について。
定理自体の意味するところはツイートの通り理解できた(つもり)。
ただまだそのありがたさや使いどころみたいなのは理解できていない。
まあ、これは勉強を進めていくうちに納得いくだろうと期待。
ところでTwitter準同型定理を検索すると素敵なツイートを見つけた。
ちなみにここまで苦労した準同型定理は3つある同型定理のうちの1つだそう。
大学によっては授業2回目くらいで終わるらしい。
少なくとも手元の参考書を見ると、分厚い冊子のP.25とかで解説されていたので本当にここは入り口なんだな、と痛感。先は長い。


以上です。群論面白いですね。
調べてみると群論の学習はこのまま進めてもよいし、一度環論やトポロジーに触れてから戻ってくるとより理解が深まる、なんていう話もあったので本屋で少し物色してみます。
トポロジーってかっこいいね。やりたい。

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