写真
10月。 一生懸命やっているときほど、周囲のノイズを多分に感じてしまう。 生活の、気を使うべきところを蔑ろにしてきた皺寄せ、と囁き声。 とっくに捨てた家電の取扱説明書が部屋から出てくる。 今年一年の疲れが、腰と爪にあらわれる。 昔から過度なプレッ…
気づけば上を向いてシャッターを切っている。 はじめは、空だと思った。 白い雲が青い空にふわりと浮かび、静かに色を分かち合うように広がっている。 けれど、違っていた。 わたしは線を見ていた。 建物と空の境界に現れる線。 その線は、ただの境目ではな…
最近。 誰かとご飯を食べたり、お茶をしたりするたびに「その人と今日どんな話をしたのか」をスマホにメモするようにしている。 記憶力が落ちた、というより集中力が持続しなくなった、というほうが正確だ。 テーブルに座っている時間はたしかに楽しかったは…
最近良かったもの。 「アンメット」の第10話、成増先生がガトーショコラを1つだけ買って帰るシーン。 (第9話のラストがすごいから、と言われて見始めたけど個人的にはこっちのシーンが好き。原作にもあるのかな。) 「ガールズバンドクライ」の最終話、エン…
体の調子が良いとき、心の調子がよくない。 心の調子が良いとき、体の調子が良くない。 人生がどんどんうまくなっていく。 そのことの危機感や焦りに似た感情を最近よく催す。 日々の生活の中で「生まれて初めて!」という驚きが減って 居酒屋で串焼き食べな…
いろんなことが自分の知らない間に終わってしまって、 腹いせにいろんなことを自分で始めている。 あいかわらず自分の足元には不安しかなくて、 でもその不安が燃料となってこの体を前に歩かせている。 (テレビは本当に見なくなってしまった。) 手の届く範…
3月もすでに中旬に差し掛かっていますが、今日は2月を振り返ります。 といっても、2月は本当に(僕個人に限定して言えば)穏やかな月でした。 読みたい本を読み、奥さんと映画を見て、たまに銭湯に行き、あとはよく食べて(健康診断では無事に最高体重を記録…
年末から時々出る鼻血。鼻の粘膜が身体を代表して赤信号を発信している。 酒のせいで眠れない。ぼんやりとした意識の方向へ、文章を進める。 冥丁の音楽を聴いて過ごしていたら、年を越していた。 「婦人」と「廣島」って曲が好きでね。 あとは、散歩中。 ji…
[current] : カレント という英単語について考えている。 名詞だと「流れ」「電流」などと訳すのが一般的で、 これが形容詞になると「現在の」「流行の」といった意味になる。 不思議だ。 写真を撮ることは「流れ」を捕まえることに他ならない。 何の?光?…
とあるアーティストのインタビュー記事を読んでから「風景」と「光景」という言葉が頭の中を反復している。 辞書的な意味というより、文字が持つニュアンスからこの2つの熟語はとても興味深い。 風の景(かげ)と光の景(かげ)。 私は常にそのどちらか、あ…
某日、銀座。3ヶ月ぶりの散髪。 いつもカットをお願いしている美容師さんが8月で退職されていた。 新しい担当のお兄さんは某アイドルよろしく派手なピンク色の髪をしている。 洗髪が大変そう。 自分の髪型にこだわりはないのでお任せ。いい感じ。 お見送り…
ストリートスナップは表現以前のかけら。未完成の詩。 要素をつなぎ合わせて、初めて立ち上がる何かをここに残す。 今月の写真を見るとたしかに疲労感が漂う。(とても個人的な感覚。) 写るものから迷いが見える。 まるで一種の逃走劇かなにか。 でも、走る…
久しぶりに古賀及子さんのブログを読んでいて、自分は文章は書けないけどその代用品として日々写真を撮っているのかもしれない、とふと思った。 なので、休日にレンタカーで、有名なフォトスポットに出向いて、みんなが撮る絶景ポイントに三脚を立て、連れて…
processing.jp Processing/p5jsの日本コミュニティによるイベントPCD2023が、6/27から7/4まで渋谷ヒカリエで開催されました。 私がこのイベントで展示した作品は、"Impure"という名前のシリーズ作で、休日に私が街で撮影したストリート写真12枚をプログラ…
ここしばらく「だいかいじゅうのあとしまつ」みたいな仕事をしていた。 (ごめんなさい、映画は見てない。) 大きな仕事の、みんなであーだこーだ言いながら作り上げていく、苦しくも楽しいクリエイティブな作業フェーズが終わってから、のお仕事。 今度は、…
4月の中旬にコロナに感染してしまい、1週間ほど寝込んでいた。 (半月たった今も、咳が止まらない。) だから、今日ここに載せた写真はほとんどGWに撮ったもの。 久しぶりにカメラを持って街に出た。 なにかやるにも気分が乗らない日はある。 まずは、心よ…
忙しい。月一のこの記事さえ更新が間に合っていない。 今年の自分の裏テーマは「選択と集中」だった。 まだ4月だけど、すでに3、4つと新しいツールやテクノロジーに足を突っ込んでいて、結局どれも中途半端になっている。 器用貧乏まっしぐら。でも、まあ…
妻が人生で1度も東京タワーに登ったことがないというので、一緒に登ってきた。 僕も、高校生ぶりに東京タワーに登った。 特別展望台(今はトップデッキと呼ばれている)にははじめて登った。 一人2,800円もしたが、まあこれも経験。 一番上まで行くエレベー…
大晦日。今年最後の大きな仕事を終え、帰宅。 新年の挨拶がわりのLINEをベッドに潜り込みながら、各所一通り済ませる。 妻は年末年始、のんびりと実家に帰省。 去年の誕生日に彼女に買ってもらったポケモンも、ラストのジム戦で軽く手詰まり状態。 時間を持…
お久しぶりです。 2ヶ月分まとめて。 多忙だった2022年がついに終わろうとしている。 今年は去年に比べていっぱい本も読めたし(本も出したし)、写真も撮ったし、飯も食ったし(作ったし)、人生すごろくのラッキーなコマみたいな1年だった。 悔しいことや…
今月は、フィルムもデジタルも。 まずは、初めてのSUPERIA PREMIUM400で撮影した写真から。 安定の縦構図。大好きな2枚。 近所をお散歩。ひたすら公衆トイレを探しながら撮った思い出。 緊張と緩和。ストイックな被写体選び。 これまた近所。横浜は、嫌にな…
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISを買った。 借物をのぞけば初めてのズームレンズだ。 カメラを始めるといろいろな場所で「初心者はズームレンズではなく単焦点レンズで感性を磨け」的なアドバイスを目にする。 実際、カメラを初めてここまでほとんど単焦点のみで過…
某日、多摩川河川敷を散策。 週末の天気予報が珍しく太陽燦々という感じだったので出かけてみたら、既に行きの電車からの風景でどん曇りであった。 日本橋周辺を歩く予定だったが、しかたがないのでいつもの川崎駅で途中下車して多摩川沿いをてくてくと歩い…
土曜日。 台風が関東にじりじりと迫る。 そんな日にわざわざ電車に乗って東京は銀座に向かう。 お目当てはカメラメーカーSigmaの展示、正しくは「SIGMAの10年 — プロダクトデザイナー岩崎一郎」展。 私はSigmaのカメラは所有していない。 しかし、今年の春、…
気がつけば蕎麦ばかり注文している今年の夏。 先週末は高校時代の同級生同士の結婚式で群馬に帰省していた。 世間的にはおそらく神奈川に比べて群馬のほうが夏は暑いイメージだが、個人的には湿度がまるで違うので暑さの感じ方もだいぶ違う。 個人的には群馬…
地元、群馬の伊勢崎市で気温40度超えを記録したその日、俺はいつものようにカメラを片手に散歩をしていた。 降りたのは新川崎駅。この日は南武線沿いをジグザグ渡り歩きながら川崎駅を目指すことにした。 すっかり日に焼けた暖簾が目印の町中華で担々麺と…
連日、目を疑うような数字が並ぶ天気予報を眺めながら「今週末はどこか涼しいところで過ごそう」と心に決めていた。 その矢先、TLで好きな写真家「鈴木理策」さんの名前を見かけた。 何やら東京のアーティゾン美術館というところで展覧会をやっているらしい…
五月は何とか見繕った土曜日の半日を使って、写真と撮りに出かけた。 この日、初めてブルーラインの弘明寺駅を降りた。 実は今の家とギリギリまで候補検討した物件が最寄り弘明寺駅のアパートだった。 もしかしたら住んでいたかもしれない土地というロマン。…
私のフィルム写真の現像はすべてカメラはスズキ(通称カメスズ)さんにお願いしている。 現像の雰囲気を店独自の番号でオーダーできるのが気に入っている。 私は1年近く変わらずいつもテイスト33番で注文している。 (そして、お店の方々にも33番の人と…
一つのことにのめり込んだらそれまで他に注いでいた情熱まで吸い取られるように持っていかれる。 つくづく自分の性格だなと思う。 最近は以前と違い、暇な休日はカメラではなく数学の本とノートを持ってカフェに行く。 ほとんど一日数式と向き合って(ときど…