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2023-09

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某日、銀座。3ヶ月ぶりの散髪。

いつもカットをお願いしている美容師さんが8月で退職されていた。

新しい担当のお兄さんは某アイドルよろしく派手なピンク色の髪をしている。

洗髪が大変そう。

自分の髪型にこだわりはないのでお任せ。いい感じ。

お見送りのとき、名刺をもらった。

前の担当のときにも、一番最初にもらったな、と思い出す。

名前の下にボールペンでInstagramのIDが書かれていた。

丸字。次も彼にお願いしたい。


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某日、逗子。改札を出るとサーファーっぽい集団が集まっている。

電光掲示板には38°の表示、灼熱。

何か涼しいものを食べないと、と思ってGoogle Mapで「蕎麦」と検索。

通信制限に引っかかってうんともすんとも言わない。

仕方がないので歩き始めると、「Match Point」の看板。

鎌倉で勤めていたころ、通っていたカレー屋の支店を偶然見つけた。

久しぶりに食べるチキンカレーはやはり美味かった。


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某日、西大井。住宅街を東へ進む。東には海がある。

しかし、この日も気温は高く強い日差しが首を刺す。

何か勘を取り戻したかのようにシャッターを切る。

カメラを初めて一番大きな収穫だったのは、この星には良い光の日があるということ。

ただでさえ無用なものでパンパンなカメラバックに裸でX-S10を入れてるのはこういう日を逃さないため。

つくづくギャンブルじゃなくてカメラにはまってよかった。たぶん、あんまり変わらんやろ。


市川沙央の「ハンチバック」を読んだ。

芥川賞受賞のインタビューの受け答えだけの前情報で読みはじめたが、どの頁も、ものすごい攻撃力。

〈普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢です〉

文字通り人生を込めた一冊だった。誰かが言ってたけど痛烈にヒップホップだった。

この本が名誉ある賞を受賞したこと自体がまさに風刺的だと思う。

「推し、燃ゆ」のときもそうだったけど、自分の浅い人生経験じゃ到底わからない「感情のブレ」みたいなのを数千円で体験できるからやっぱ読書はいい。

芥川賞ひたすら遡って読む企画、途中で止まってるから、冬に向けてまた再開しよう。