とあるアーティストのインタビュー記事を読んでから「風景」と「光景」という言葉が頭の中を反復している。
辞書的な意味というより、文字が持つニュアンスからこの2つの熟語はとても興味深い。
風の景(かげ)と光の景(かげ)。
私は常にそのどちらか、あるいはどちらもを体で感じながらシャッターを切る。
そう意識しているというより、改めて言葉にしてみると”そう”なだけだが。
被写体が好きか、機材が好きか、行為が好きか。
私は圧倒的に最後の選択肢を選ぶ。
だから、2、3ヶ月分の給料を払って機材を購入する、ということは今のところまず欲求としてだいぶ低い。
エレファントジムのCDを買った。オーラヴル・アルナルズのCDも買った。
最近は気分を高揚させるためというより、自分の中のスイッチ、あるいはモードを切り替えるために特定の音楽を聴くということが多い。
ビデオカメラを買った。
XactiのDMX-CA9という機材だ。15年前に発売された当初はもちろん最新鋭だった(何せIPX8でフルハイが撮れるのだ!)ビデオカメラも今や中古の林檎電話の方が優れた性能で写真が撮れる。
Anytime, Anywhere, Xacti
当時のブランドキャッチコピーだ。
僕が今回メルカリで買った中古品は、起動のたびに日付設定をし直す必要がある。
馬鹿げた不便さだが、でもそれくらいがちょうどいいのかもしれない。
たいてい、写真を撮りに出かけた日の1枚目というのは気負ってしまって良いものは撮れなかったりする。
だったら毎回、2009年1月1日の表示を2023年10月30日に変更するところから始めようじゃないか。
寒くなってきた。
いろいろな歯車が狂ったまま、前に進んでいる。
たぶん、大丈夫。色んな人に支えられている。
最初から始める。
Anytime, Anywhere, Xacti