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2024-07

最近。

誰かとご飯を食べたり、お茶をしたりするたびに「その人と今日どんな話をしたのか」をスマホにメモするようにしている。

記憶力が落ちた、というより集中力が持続しなくなった、というほうが正確だ。

テーブルに座っている時間はたしかに楽しかったはずなのに、数日経つと「はて、彼彼女と一体何を話して盛り上がったのか」さっぱり思い出せない。

最初は酒のせいにしていたが、平日のランチやちょっとした昼休憩の雑談でも同じようなことが起きる。

昔から物覚えはよいほうではなかったからメモを取るのは特に苦痛ではない。(むしろ好きだ。)

普段の会話が雑な分、むしろ後で一人メモを取っているときのほうが会話の相手のことをよく考えている。

メモを取るようになってから、不思議と少し解放された気持ちになった。

大げさに言えば夜ぐっすり眠れるようになった。

(いや、これは、大きなアイマスクを付けて寝るようになったからかもしれない。)

別の話。

この間、机を整理していたらフジのフィルムがひょっこり出てきた。

ベロが仕舞われていたから撮影済みかつ未現像のフィルムのはずだが、自信が持てない。

というのも以前、同じような状態のフィルムが見つかったとき、いそいそ現像に出したら未使用のものだったことがあった(誤装填したものを取り出して放置していたのだ)。

反省を生かして、今回はいつもの写真屋で事前に相談した。

専用の機械(フィルムピッカーというらしい)でベロを出してもらう。

「これはおそらく撮影済みですね。」どうやら装填時の傷がフィルムに残っていたらしい。

ほっと一安心。

現像したものを見てみると、いつもの散歩スナップ以外に友だちや奥さん、家族の写真も入っている。

危ない、もう少しのところで、こんな大切な写真を見過ごすところだった。

でも、そのとき思った。僕の頭の中には写真が会話よりも鮮明に痕跡を残している。

シャッターを切るとき、どんなことを考えていたのか、なにを見ていたのか。

ビジュアルシンカーなんて言葉が流行っているけど、それと通じているのかな。

言葉よりも記憶に残るもの。

もちろん、記憶に残るからそっちのほうが大切ってわけじゃないけど。

「解放された時初めて、人はそれがストレスだったのだと気が付く。」