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5月。

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五月は何とか見繕った土曜日の半日を使って、写真と撮りに出かけた。

この日、初めてブルーライン弘明寺駅を降りた。

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実は今の家とギリギリまで候補検討した物件が最寄り弘明寺駅のアパートだった。

もしかしたら住んでいたかもしれない土地というロマン。

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商店街を抜けて住宅街へ。このあたりはどっちに歩いても坂。

茹だるような暑さ。

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方向感覚だけは生まれつき優れているので、そうだろうという方向にのんびり歩くこと2時間。

気がつけば一昨年まで住んでいた黄金町周辺にたどり着いていた。

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どうなっているだろうと前の住居を見に行くとベランダに知らない布団が干されていて、ああ、ここにも新しい生活が流れているんだとかそういうことを感じた。

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不思議なもので、あの頃よく通っていた蕎麦屋より、外国人しか働いていない近所のセブンイレブンの方がはるかに懐かしく思えた。

すぐそばの、雨の日も本を外に出しっぱの、寡黙な親父がやっている古本屋は潰れているんだか休んでいるんだか、シャッターは降りたまま。

有隣堂の本店に入って、たまたま平積みされていた朝永振一郎の随筆集を買って、東海道線にのって帰った。

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ホビー数学08「抽象代数学への招待」(N予備校・特別授業)

…ということで、

N予備校生になりました!

(正しくは無料の体験受講生ですが。)

目当てだった、東工大の加藤文元先生による特別講義「抽象代数学への招待」を受講し終えたので、今日はその感想を書きます。

はじめに本題と外れたところで、私と加藤先生との出会いについて軽く触れておくと、大学生の頃に中公新書から出ている「数学する精神」を読んだのが最初だったと思います。

その後、(これはつい最近ですが)自分のPodcastエヴァリスト・ガロアの紹介をするにあたって著書「ガロア 天才数学者の生涯」を読んで、加藤先生の文章は数学というトピックに関わらずとも面白いなあ、と思っていました。

さらに、先月放送された、ABC予想の証明をしたとされている日本の数学者の望月新一先生のNHK特別番組では、主役である望月先生には出演を辞退されてしまい、代打というわけではないですが日本人で望月先生の提唱するIUT理論に関して本も書かれた加藤先生がコメントするシーンが幾度か流れていましたね。

(余談ですが、あのドキュメンタリーは望月先生の人物像にフォーカスしすぎてIUT理論以前にABC予想についてもあまり踏み込めて解説できておらず、にわか数学徒としてはやや物足りない内容でした。)

そんな憧れと行って過言ではない加藤先生のN予備校での90分全12回の講義。

内容についてはあまり口外されていないので、大枠だけ語ります。

まず、前半6回は高校数学ではあまりに前提知識すぎて深掘りしてこなかった「素因数分解の一意性」について。

なぜどんな整数も素数の積に分解できて、しかもそれが一意的に定まるのか。

その背景には普段私たちが使っている整数の世界の神秘が隠されており、その解説のために素朴な「割り算」から出発して素数とはどういうものか考究していきます。

私は中盤、単項イデアル整域とか出てきたあたりでだいぶ心が折れそうになりましたが、動画をしっかり2周してなんとか理解できました。

それにしても抽象代数学の学習は本当に山登りに似ています。

登れば登るほど抽象度は上がっていき息が苦しくなりますが、前回まで喧々諤々議論していたトピックが一段階抽象度の高い概念を導入したあとで俯瞰して見ることでシンプルに説明できたりします。

また、ある概念があまりに抽象度が高すぎると感じた際には、一度具象化して(山を下って)「環論におけるイデアルって初等整数の世界で言えばある数の倍数全体の集合ってことだよな。」とか「アーベル群に関して、あるイデアルによる剰余群を考えるのって合同式考えるのと一緒だな。」とか…、いろいろ考えあぐねた末に、さっきより固い足場でより高みを目指すことができます。

この抽象化と具象化の反復運動に慣れることこそが代数学を学ぶ上でのベストプラクティスなのだと最近思うようになりました。

(偉そうに言いましたが、素元分解整域の講義のとことかは久しぶりに「先生が何を言っているんだかわからんけどとりあえずノートは取るか」というような虚無の時間があったりしました。)

後半に入ってからはテーマを変えてみんな大好き群論の内容に取り組み、最後の2回でふたたび整数論の話題に戻り原始根の存在やガウスが黄金定理と読んだ「平方剰余の相互法則」について学習しました。このあたりについては以前このブログでも紹介した「数論への招待」という加藤和也先生の名著を読んでいたおかげで比較的スムーズにキャッチアップできました。

加藤(文元)先生の授業は最初に必ず、今日の授業の動機づけやストーリーの説明があるおかげで、難しい議論についてもギリギリついていけるのかもしれません。

「抽象代数学への招待」という一見素人でも気軽に見れそうな表題の講義ですが、なかなか骨太な講義だったと思います。

(実際、N予備校の動画サイトでは毎回視聴回数が見れるのですが、初回が1000回以上再生されていたのに対して最終回は200回前後でした。)

しかし、振り返ってみてこれが良いタイトルだなと思うのは、この講義の中心はあくまで私たちが高校数学までで触れてきた一般的な整数の世界であり、その抽象化を多角的に図るという内容だったということです。

看板に偽りなし。おそらくですが、ここで得た抽象的な概念がまた別の代数系(たとえば二次体の整数環など)において応用できるという発展性を持っているのでしょう。

(うわぁ、頑張ろう…。)


およそ2週間、寝る前に1講義受講してから寝るを繰り返しました。

ノートは今までのあまりを使ったせいで2冊に分かれてしまいました。

演習問題などはまだ解ききれていないので時間を見つけて復習したいと思います。

(数学の講義を受けた感想記事なのに、数式は一個も出てきませんでしたね。)


(追記)

今回受講した「抽象代数学への招待」はN予備校の前年度の講座でしたが、今年度は加藤先生が「数学史」を扱った講義を受け持ちされているようです👀