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0919 防災マップ。

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横着な自分はポストの中のチラシをためがちだ。

毎日家を出るときにポストの中をチェックして、友人の結婚式の招待状やら水道代の請求書やら生活の上で必要なもの・避けられないものだけをピックアップして、隣町の不動産のチラシやらチェーンのピザ屋の割引券やらをつい放置してしまう。

塵も積もればなんとやら。そうこうして溜まった行き場のないチラシたちを月に一度くらいのペースでまとめて回収して家の中で取捨選択をする。(たまーに「え、これあったんじゃん!まず!」ってなる。ごくたまーに。)

この間もそんな感じで溜まりに溜まったチラシをぽいぽいとゴミ箱に捨てていた。そのとき、偶然地図を見つけた。 自分の住む横浜市の地区の防災マップだった。

「ほほーん。」

そのまま捨ててしまってもなんの問題もなかったのだが、妙に気になって広げてみると、それは自分が思っていたよりもだいぶ大きな代物だった。

「なるほどー。」

地図はエリアごとに色分けされていてその場所ごとの避難場所が目立つように書かれていた。

自分の住む場所は(大概の場所がそうであるように)このあたりの地域で一番大きな中学校だった。

台所の棚にしまってあった画鋲ケースを取り出して、玄関にその地図を貼ってみた。

僕は昔から地図が好きだった。

正確には地図を書くのが好きだった。

親の運転で一度通った場所は必ず覚えて、家に帰っては地図に書いて「おまえは記憶力がいいなー」と父に褒められた。

ノルウェイの森」に出てきた突撃隊という人物がいる。

彼は地図を愛し、国土地理院に入ることを目指す角刈りの学生だった。

本を読んだ多くの人にとって突撃隊は不思議なキャラで理解するのが難しい立ち位置のようだった。

物語の舞台からも途中で消えてしまう。

でも僕はこの青年がとても好きだった。

なんの、話だっけ。

そうだ、防災マップの話だ。

玄関に張った防災マップは僕の部屋の雰囲気からすると妙に浮いている。

そこだけ現実感が強いのだが、家の外に行く前、そして帰ってきたときに眺めるのにこれより良いものは今は思いつかない。

どうして早くポストからこいつを見つけ出さなかったのだろう。

そういうしょうもない、小さな後悔。

ちなみに村上春樹の作品は長編短編問わずほとんど読んできたが、「ノルウェイの森」が一番肌に合わなかった。

この話は長くなるし面白くならないことが見えているので割愛。

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